2025年5月29日(木)
近年、企業のWEBサイトを狙ったサイバー攻撃が急増しています。特に目立つのが、サイトの一部を書き換える「WEB改ざん」です。かつては大企業や官公庁が主なターゲットとされていましたが、現在は中小企業や個人事業者のサイトにも攻撃が及んでいます。攻撃者は、脆弱性のあるサイトを無差別にスキャンし、自動的に侵入・改ざんを行います。つまり、「うちは小さい会社だから大丈夫」はもはや通用しません。
WEB改ざんとは、攻撃者が不正アクセスによってWEBサイトの内容を勝手に書き換える行為です。具体的には、不正なスクリプトを埋め込んでマルウェアを配布したり、偽のログインページを表示させてフィッシング詐欺に悪用したりといった手口があります。こうした改ざんは、サイト訪問者を危険に晒すだけでなく、企業の信用にも大きな傷を残します。
また、改ざんに気づかないまま放置していると、Googleなどの検索エンジンから「危険なサイト」として表示され、検索結果から除外されることもあります。顧客離れや売上減少に直結するリスクがあり、対応が遅れるほどダメージは大きくなります。
多くの企業では、ファイアウォールやウイルス対策ソフト、WAF(Web Application Firewall)などのセキュリティ対策を導入しています。しかし、それらは侵入や攻撃の“防止”を目的としており、すでに改ざんされたかどうかを“検知”する仕組みには限界があります。また、情報システム部門のリソースが限られている場合、日々の業務の中でWEBサイトを常時監視することは困難です。
特に中小企業では、「そもそも改ざんされていることに気づけない」というケースが少なくありません。気づいたときには既に取引先や顧客に被害が及んでいる──そんな事態を未然に防ぐ手段が求められています。
WEB改ざん検知ツールは、WEBサイトの内容に不正な変更が加えられた場合に即座に検知し、管理者にアラートを通知するためのツールです。主に以下のような仕組みで動作します:
改ざんの早期発見により、リスクを最小限に抑え、素早い復旧対応が可能になります。さらに、ブランド毀損やSEOへの悪影響といった二次被害の防止にもつながります。
ツールには、巡回型(クローラーでページを定期チェック)やサーバーログ監視型、ファイル改ざん検出型などがあります。用途や予算に応じて、最適なタイプを選ぶことが重要です。
WEB改ざん検知ツールを選ぶ際は、以下の点をしっかり確認しましょう:
これらを総合的に判断することで、自社にとって最も効果的なツールを選ぶことができます。
大手企業や公共システムにも導入実績のあるF-PATでは、1ヵ月の無料トライアル期間を設け、既存システムとの親和性や導入のしやすさを確認いただけます。
さまざまな業種・規模の企業がWEB改ざん検知ツールを導入し、その効果を実感しています。たとえばある製造業では、自社サイトが改ざんされたことをツールで即座に検知。迅速に復旧対応を行った結果、顧客からの問い合わせや取引先への影響を最小限に抑えることができました。
また、ECサイトを運営する企業では、商品ページが改ざんされた際にツールの通知ですぐに対応し、売上の損失と信頼低下を防止。ツールの導入により、従来よりも安心してWEB運用ができるようになったと評価されています。
WEB改ざんは、規模を問わずあらゆる企業が直面する可能性のある脅威です。そして、その被害は信用・売上・検索順位といった、企業の根幹に関わる部分にまで及びます。
攻撃を完全に防ぐことは難しい時代だからこそ、「早く気づいて、すぐに対応する」体制を整えることが重要です。WEB改ざん検知ツールは、その第一歩として非常に有効な手段です。被害を未然に防ぎ、企業の信頼を守るために、今こそ導入を検討すべき時期かもしれません。
A:WAFは攻撃の防止を目的としており、すでに発生した改ざんを検知する機能は基本的にありません。両者は役割が異なり、併用することでより強固なセキュリティ体制を構築できます。
A:無料ツールは機能が制限されていることが多く、検知精度や通知機能に不安が残る場合があります。ビジネス利用では、有料でも信頼性の高いサービスの導入を検討すべきです。利用しやすさを考慮するために、トライアルの期間が設けられているサービスを試してみることをおすすめします。
A:検知ツールは改ざんの事実を通知するだけで、自動修復までは行わない場合が一般的です。通知を受けた後は、社内対応チームまたは外部の専門業者と連携して迅速に対応する体制が重要。そのためのしくみ(連絡網や修復の手順書など。有事と考え、情報システム部門独自のBCPと考えるべき)をあらかじめ構築しておくことが必要です。
A:業種やサイトのアクセス数にもよりますが、攻撃者は常に脆弱なサイトをスキャンしています。定期的に攻撃を受ける前提で、常時監視する体制が求められます。