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トピックス : WEBサーバー監視サービスF-PAT【ファイルパトロール】

2025年6月2日(月)

企業担当者必見|レンタルサーバーのセキュリティ対策と選定ポイント

レンタルサーバーは導入が簡単でコストも抑えられるため、幅広い企業で利用されています。しかし、その手軽さの裏にはセキュリティリスクが潜んでいます。不正アクセスやデータ改ざん、情報漏洩といった被害は、企業の信頼を失墜させる重大な問題に直結します。

本記事では、「レンタルサーバー セキュリティ」に関する基本的な理解から、具体的な対策、セキュリティの高いサーバー選定のポイントまで、企業の情報システム担当者に必要な実践的知識を提供します。

レンタルサーバーの種類とセキュリティの違い

レンタルサーバーには大きく分けて以下の種類があります。

  • 共用サーバー
    複数ユーザーで1台のサーバーを共有。コストは安いが、他ユーザーの影響を受けやすい。例えば、同じサーバー内の他のユーザーがセキュリティ事故を起こすと、同一環境内にある自社のデータにも影響が及ぶリスクがあります。また、ファイルシステムやリソースが共通のため、個別の監視やアクセス制御が難しく、攻撃者にとっては「1つ突破すれば複数サイトに侵入できる」構造になりがちです。こうした共有の特性から、隔離性に欠け、結果としてセキュリティの脆弱性が高まります。

  • VPS(仮想専用サーバー)
    1台の物理サーバーを仮想的に分割。管理権限が強く、柔軟な設定が可能。各ユーザーには独立した仮想環境が割り当てられ、OSの選定やミドルウェアの導入、セキュリティ設定などを自由にカスタマイズできます。共用サーバーと異なり、他ユーザーの影響を受けにくいため、独自のセキュリティポリシーを適用しやすいのが特徴です。

  • 専用サーバー:1社で1台を専有。高コストだが、パフォーマンスとセキュリティの自由度が高い。他ユーザーと環境を共有しないため、セキュリティリスクを大幅に抑えられるほか、CPUやメモリ、ディスク容量といったリソースをフルに活用できます。OSやミドルウェアの構成も自由に設計でき、ファイアウォールやIDSなどのセキュリティ対策を自社ポリシーに応じてカスタマイズ可能です。アクセスの負荷が高い大規模サイトや、機密性の高いデータを扱うシステムに適しています。

  • クラウド型レンタルサーバー:スケーラブルで可用性が高く、セキュリティ対策も充実していることが多い。必要に応じてリソースを自動的に増減できる柔軟性があり、障害発生時には別サーバーに自動で切り替える冗長構成が組まれていることが一般的です。また、多くのクラウドサービスでは、WAFやDDoS防御、暗号化ストレージ、脆弱性スキャンなどのセキュリティ機能が標準またはオプションで提供されています。さらに、利用者ごとに仮想化された環境が構築されるため、他のユーザーの影響を受けにくいのも特徴です。

セキュリティ面では、共用サーバーはリスクが高め。独立性の高いVPSや専用サーバー、クラウド型がより安全といえます。

よくあるセキュリティリスクと被害事例

レンタルサーバー利用で実際に起きやすいリスクには、以下のようなものがあります。

  • 不正アクセス:パスワードの使い回しや脆弱な認証設定を突かれる
  • CMSの脆弱性:WordPressやプラグインの未更新により、脆弱性を突かれて侵入される
  • FTP情報の漏洩:平文での通信によりアカウント情報が盗まれる
  • ファイルの改ざん:サイトが改ざんされ、フィッシングサイトに使われたり、マルウェアが仕込まれる

ある企業では、WordPressの旧バージョンを使い続けたことで改ざん被害を受け、気づかぬうちに1ヵ月以上悪質なコードが仕込まれていました。SEO評価は下がり、取引先からも指摘されて初めて発覚。対処に数週間を要し、業務への影響は甚大でした。

レンタルサーバーで最低限押さえるべきセキュリティ対策

強固なID・パスワード管理

初期パスワードは必ず変更し、推測されにくいものを設定しておきます。パスワード管理ツールの活用も有効です。

2段階認証の導入

サーバー管理画面やCMSログイン画面には、2段階認証を設定しましょう。不正ログインのリスクを大きく減らせます。

SSL/TLSの適用(HTTPS化)

HTTP通信では情報が暗号化されず、盗聴や改ざんのリスクがあります。SSL証明書を導入し、HTTPSに完全対応させることが基本です。

CMS・プラグインの定期アップデート

WordPressなどCMSは常に最新バージョンを保つこと。脆弱性を放置しないよう、更新通知に注意しましょう。

ファイル改ざんの「検知」も対策の一部

セキュリティ対策は「防御」だけでは不十分です。仮にファイルが改ざんされたとしても、早期に気づけるかどうかが被害を最小限に抑える鍵となります。

  • 改ざん監視サービスの導入(例:定期的にファイルをハッシュチェック)
  • 通常と異なるアクセスやファイル更新があった場合のアラート設定

F-PATは、最大1時間に一度、前回巡回時のファイルリストと照合し、異差があれば登録されたメールアドレスに通知するサービスです。変化があったかなかったかだけをチェックしますので、非常に厳格なので、WEBサーバーのセキュリティを高めるには最適なWEB改ざん検知ツールです。

F-PAT

  • ログの定期確認と分析

これらを組み合わせることで、異常発生時に人間がすぐに気づける仕組みを構築できます。改ざん監視ツールやアラート設定を活用することで、異常が発生したときに自動的にメールや管理画面で通知を受け取ることが可能になります。つまり、サーバーの状態を放置せず見張る目を持つことが、WEBサーバーのセキュリティにおいては非常に重要なポイントです。

アクセス制限の設定

管理画面へのアクセスにIP制限をかけたり、Basic認証でダブルロックを設けるのも有効です。

自動バックアップの確保

改ざんや障害が発生した際に、即座に復元できる体制がなければ事業継続に支障をきたします。日次・週次での自動バックアップを設定し、保管期間や復元手順も確認しましょう。

セキュリティに強いレンタルサーバーを選ぶポイント

以下のような機能があるかをチェックしましょう。

  • WAF(Web Application Firewall)やIPS/IDS:Webアプリケーションの脆弱性を狙う攻撃をブロック
  • 自動バックアップ&復元機能:ボタン一つで元に戻せる仕組みは必須
  • セキュリティ診断や監視サービス:定期的な診断やマルウェアチェックがあると安心
  • サポート体制:セキュリティインシデント時の対応力(24時間対応・専門知識の有無)

価格だけで選ばず、セキュリティ機能の有無を必ず確認してください。

情報システム担当者が押さえておくべき運用の注意点

  • 外注先との役割分担の明確化:開発や運用を外注している場合、責任範囲を明確に
  • セキュリティ教育の実施:パスワードの扱いや不審メールの対応など、社内教育も重要
  • 定期的な見直しと監査:設定や構成が古くなっていないか、定期的にチェックしましょう

防御と検知の両輪で守るレンタルサーバーセキュリティ

レンタルサーバーは便利ですが、セキュリティを軽視すればリスクは増大します。特に防御だけに頼る体制では、いったん攻撃を受けた際に気づかず被害が拡大する恐れがあります。現実には、どれだけ堅牢なセキュリティ対策を講じていても「破られる可能性がゼロではない」ことを前提にしなければなりません。

そのためには、異常を素早く検知し、即座に対応できる仕組みが不可欠です。改ざん検知ツール、ログ監視、アラート通知といった“検知の仕組み”を取り入れることで、問題の早期発見と被害の最小化が可能になります。つまり、サーバー運用において「気づける体制」を持つことが、より高度なセキュリティ環境を実現する鍵となります。

防御と検知、この2つを両立させてこそ、真に信頼できるサーバー環境が実現します。情報システム担当者として、自社のサーバー環境を「見える化」し、継続的にセキュリティを見直し、強化していく姿勢が求められます。レンタルサーバーは便利ですが、セキュリティを軽視すればリスクは増大します。防御と検知の両輪で対策を講じることで、攻撃を受けても被害を最小限に抑えることが可能です。情報システム担当者として、自社のサーバー環境を「見える化」し、継続的にセキュリティを強化していく姿勢が求められます。