2025年7月24日(木)
Webサイトの運営者にとって、サイトの改ざんや不正侵入は他人事ではありません。大手企業だけでなく、中小企業や個人のサイトでも被害は後を絶ちません。しかも、攻撃者の多くは脆弱なセキュリティ設定を狙って無差別に攻撃を仕掛けてくるため、「うちは小さなサイトだから狙われない」という油断は通用しません。
Webサイトが改ざんされると、訪問者にマルウェアをばらまいたり、偽の情報を表示されたりする恐れがあります。最悪の場合、検索エンジンのブラックリストに載って検索結果から除外され、顧客の信頼を一気に失います。ECサイトであれば、顧客の個人情報やクレジットカード情報が漏洩する可能性もあります。
これらの被害は、金銭的な損失にとどまらず、ブランドイメージの毀損や法的リスクにもつながります。だからこそ、Webサイトのセキュリティ対策は「やっておいた方が良い」ではなく「今すぐ始めるべき」ことなのです。
改ざんや不正アクセスの主な原因の一つが、Webサイトやサーバーに存在する”脆弱性”です。脆弱性とは、システムやアプリケーションに存在するセキュリティ上の欠陥や抜け穴のこと。これを突かれると、攻撃者はシステムに侵入し、情報を盗んだり書き換えたりすることができます。
脆弱性診断とは、こうした弱点が自サイトに存在していないかを専門的な視点からチェックする作業です。大規模な企業では有料のセキュリティ診断サービスを導入することが一般的ですが、コストの問題から手が出ない中小企業や個人事業主も多いのが現実です。
そんな中、近年注目されているのが「無料の脆弱性診断サービス」です。たとえば、GMOインターネットグループが提供する「お名前ドットコム」の無料セキュリティ診断サービスは、サイトのURLを入力するだけで簡単に診断が可能。SQLインジェクションやクロスサイトスクリプティング(XSS)など、よくある脆弱性の有無を短時間でチェックしてくれます。
この無料診断では、以下の4種類のチェックが行えます:
とくにWebサイト脆弱性診断については、診断結果が「緊急」「高リスク」「中リスク」「低リスク」「情報」の5段階で分類され、それぞれのリスクの緊急度がひと目でわかるようになっています。これにより、どこにどれだけのリスクが存在しているのかを具体的に把握し、優先順位をつけた対応が可能になります。
このような無料サービスを活用することで、少なくとも基本的なリスクに対する「現在地」を知ることができます。もちろん、無料診断で見つけられるのはあくまで一部の脆弱性ですが、まったく何も対策していないよりは遥かに有意義です。
診断の結果、脆弱性が見つかった場合は、早急に対策を講じる必要があります。たとえば、CMS(WordPressなど)を使っているなら、テーマやプラグインを最新版に更新したり、不要な機能を無効化したりすることが重要です。
また、診断結果が「問題なし」だったとしても、それは「絶対に安全」という意味ではありません。あくまでその時点、そのツールで検出されなかったというだけ。定期的に診断を繰り返し、セキュリティパッチの適用や設定の見直しを怠らないことが、改ざんリスクを最小限に抑える鍵です。
無料の脆弱性診断は、Webサイトセキュリティ対策の”入口”にすぎません。定期的な診断に加え、WAF(Web Application Firewall)の導入、アクセスログの監視、バックアップ体制の構築など、多層的なセキュリティ対策を講じることで、初めて真の防御力を確保できます。
とはいえ、「何から始めればいいかわからない」という方にとって、無料診断は最初の一歩として非常に有効です。自分のサイトがどのようなリスクに晒されているのかを知ることは、すべての対策の出発点となります。
Webサイトが改ざんされると、信頼の失墜と事業の損失が一気に襲ってきます。それを防ぐためには、まず自分のサイトに潜む脆弱性を知ることが不可欠です。
手始めとして、無料の脆弱性診断サービスを利用することを強くおすすめします。とくに「お名前ドットコム」の診断サービスのように、誰でも簡単に利用できるものを活用すれば、すぐにでもセキュリティ対策を始められます。
ただし、無料診断はあくまで”入り口”です。本格的な防御を目指すのであれば、プロによる定期的な脆弱性診断やセキュリティ専門業者との連携も視野に入れるべきです。無料サービスで現状を把握した上で、段階的に対策を強化していきましょう。
後回しにしていたセキュリティ対策、その第一歩を今、踏み出してみてはいかがでしょうか。