2025年9月12日(金)
Webサイトのセキュリティ対策というと、ウイルス対策ソフトやSSL証明書を思い浮かべる方が多いかもしれません。しかし、実際にはWebアプリケーションに潜む「脆弱性(セキュリティの穴)」が攻撃者に狙われるケースが増えています。
その代表例が XSS(クロスサイトスクリプティング) です。特にJavaScriptを悪用する形で行われることが多く、もし自社サイトに仕掛けられてしまうと、ユーザーの個人情報漏えい・セッション乗っ取り・改ざん被害など大きなリスクにつながります。
今回は、XSSがどんな攻撃なのか、JavaScriptとどう関わっているのか、そしてサイト運営者や開発者が取るべき対策についてわかりやすく解説します。
XSSとは、Webサイトにユーザーが入力するデータを悪用して、不正なスクリプト(主にJavaScript)を埋め込む攻撃のことです。
例えば掲示板やコメント欄に入力した内容が、そのままWebページに表示される場合、攻撃者は以下のような入力を仕込むことができます。
<script>alert('あなたのセッション情報が盗まれます');</script>
もしこの入力がそのまま他の利用者のブラウザに表示されれば、攻撃者が意図したJavaScriptが実行され、以下のような被害が発生する可能性があります。
XSSには大きく分けて3つのパターンがあります。
検索フォームやURLパラメータに入力した内容が、そのままレスポンスに含まれるタイプです。攻撃者は細工したURLをメールやSNSで送りつけ、ユーザーがクリックすることで攻撃が成立します。
掲示板やコメント欄に入力したスクリプトが、データベースに保存され、他のユーザーがページを閲覧したときに実行されるタイプです。被害が広範囲に及ぶ可能性が高く、最も危険です。
サーバー側ではなく、ブラウザ上のJavaScript処理が原因で発生するXSSです。たとえば、JavaScriptで location.hash
や document.write
を不用意に扱った場合に攻撃されることがあります。
XSS攻撃で最も多用されるのが JavaScript です。その理由は以下の通りです。
つまり、攻撃者にとって「一番使いやすく効果的な武器」がJavaScriptなのです。
Webサイトの安全性は、訪れるユーザーとの信頼関係そのものです。
「自分のサイトは小規模だから大丈夫」と油断せず、XSSをはじめとしたセキュリティ対策を一歩ずつ実践していきましょう。