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トピックス : WEBサーバー監視サービスF-PAT【ファイルパトロール】

2025年10月24日(金)

【初心者向け】二要素認証とは?Web担当者が知っておくべきセキュリティ対策の基本

二要素認証とは?簡単に言うと「パスワード+もう1ステップ」

「二要素認証(Two-Factor Authentication/2FA)」とは、ログイン時に 2種類の異なる要素 を使って本人確認を行う仕組みです。

たとえば:

  • IDとパスワードを入力(知識)
  • スマートフォンに届いた認証コードを入力(所有)

このように「知っているもの(パスワード)」と「持っているもの(スマホ)」を組み合わせて、第三者が不正にログインするのを防ぎます。

最近では、Google、Apple、Amazon、銀行、SNSなど、ほとんどの主要サービスが二要素認証を導入しています。

なぜ今、二要素認証が注目されているのか

ここ数年で、二要素認証が一気に普及しました。その背景には、セキュリティを取り巻く環境の変化があります。

1. サイバー攻撃が増えている

フィッシングメールや不正サイト、情報漏洩事件が急増中です。パスワードを盗まれれば、他のサービスでもログインされてしまう「使い回し被害」も多発しています。二要素認証を導入すれば、パスワードが漏れてもスマホを持っていない第三者は入れないため、被害を防げます。

2. クラウドサービスの普及

仕事の多くがクラウドで行われるようになり、「どこからでもアクセスできる=どこからでも狙われる」時代になりました。そのため、クラウド利用の安全性を確保する鍵として、二要素認証が欠かせなくなっています。

3. リモートワークの定着

自宅や外出先から社内システムにアクセスする今、「本当にアクセスしているのが本人か」を確認する仕組みが求められています。二要素認証なら、社員のスマホを持っていない限り第三者はログインできません。

4. 信頼性と法令対応

金融・行政・医療業界では、多要素認証が実質的に標準になっています。また、情報漏洩時に「適切な対策をしていた」と証明するためにも、企業サイトやWebサービスでの二要素認証は信頼の証になります。

二要素認証の仕組みを簡単に理解しよう

認証に使う情報(要素)は、次の3種類です。このうち、異なる2種類を組み合わせて使うのが「二要素認証」です。

知識要素(Something you know)

ユーザーが知っているもの。例:パスワード、暗証番号、秘密の質問など。

所有要素(Something you have)

ユーザーが持っているもの。例:スマートフォン、ICカード、セキュリティキーなど。

生体要素(Something you are)

ユーザー自身の身体的特徴。例:指紋、顔、虹彩、声紋など。

代表的な組み合わせの例:

  • パスワード(知識)+スマホの認証コード(所有)
  • 顔認証(生体)+PINコード(知識)

※注意:「同じ種類の情報を2回使う」だけでは二要素認証になりません。
(例:パスワード入力→メールで確認コード入力)は、厳密には”二段階認証”です。

二要素認証のメリット

二要素認証を導入することで、以下のようなメリットが得られます。

  • セキュリティが格段に強くなる
  • 顧客・ユーザーの信頼が上がる
  • 情報漏洩時のリスク軽減

特に、管理者アカウントや顧客データを扱うWebサイトでは必須レベルです。

二要素認証のデメリットと注意点

導入にはメリットが多い一方で、注意すべき点もあります。

  • ログイン操作の手間が増える
  • スマホ紛失・機種変更時の再設定が必要
  • SMS認証だけでは限界がある

最近は、認証アプリ(Google Authenticatorなど)や物理キー(FIDOキー)がより安全です。

Web担当者が実際にやるべきこと

Webサイト担当者レベルでできる具体的な対応を紹介します。

  1. 対象を決める
    全ユーザーに必須にするか、「管理者」「顧客情報を扱う担当者」など一部のユーザーに限定するかを決めます。
  2. 認証方法を選ぶ
    認証アプリ、SMS認証、メール認証、FIDOキーなどから選択します。
  3. 導入方法を検討する
    自社開発ならライブラリやAPI、WordPressならプラグインを利用します。
  4. ユーザーに案内する
    ログイン画面やお知らせで設定案内を行います。
  5. 運用ルールを整える
    スマホ紛失時の再設定方法、管理者アカウントの監査、定期的なログイン履歴の確認を行います。

次のトレンド:パスワードレス認証(Passkey)

最近は、二要素認証をさらに進化させた「パスワードレス認証」が登場しています。AppleやGoogleが採用するPasskey(パスキー)が代表的です。

これは、パスワードを使わずに「端末+生体認証」でログインできる仕組み。つまり、「盗まれるパスワードそのものをなくす」という新しい考え方です。今後、多くのWebサービスで採用が進むと見られています。

まとめ

  • 二要素認証とは「異なる2つの要素で本人確認を行う仕組み」
  • 背景にはサイバー攻撃の増加、リモートワーク、クラウド化がある
  • 導入すれば信頼性が上がり、法令対応にも役立つ
  • WordPressなどでもプラグインで簡単に導入可能
  • 今後は「パスワードレス認証」への進化が加速

二要素認証とは、セキュリティ対策の”第一歩”であり、”信頼を守る仕組み”です。
パスワードだけに頼る時代は終わりました。まずは自社サイトや管理画面から、二要素認証の設定を始めてみましょう。