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トピックス : WEBサーバー監視サービスF-PAT【ファイルパトロール】

2025年12月19日(金)

WEB担当者のためのブラウザ セキュリティ設定入門

はじめに

WEBセキュリティの話というと、サーバー設定やWEBサイト側の対策が注目されがちです。

一方で、実際の被害は「ユーザーが使っているブラウザの設定次第」で大きく左右されるケースも少なくありません。

WEB担当者や情報システム、広報担当の立場であっても、「ブラウザのセキュリティ設定で何ができるのか」を把握しておくことは、社内の事故防止や啓発に直結します。

この記事では、ブラウザの設定で現実的にできるセキュリティ対策を、専門用語を抑えつつ整理します。

なぜブラウザの設定が重要なのか

近年のWEB攻撃は、サーバーを直接狙うよりも、利用者のブラウザを入口にする手法が増えています。

例えば次のようなものです。

  • 偽のWEBページを表示して情報を入力させる
  • 正規サイトを装ってファイルをダウンロードさせる
  • 広告やリンクをクリックさせて不正サイトへ誘導する

これらは、「ブラウザが「何を許可する設定になっているか」」によって、被害に遭う確率が変わります。

ブラウザのセキュリティ設定でできる主な対策

ここからは、主要なブラウザに共通する考え方として解説します。
細かいメニュー構成は違っても、方向性は同じです。

1. 常に最新バージョンを使う

最も基本で、最も効果が高い対策です。

ブラウザは頻繁にアップデートされ、

  • セキュリティの穴の修正
  • 危険な挙動のブロック強化

が行われています。

古いブラウザを使い続けることは、「既に知られている弱点を放置している」状態です。

WEB担当者としては、「最新ブラウザの利用を社内ルールとして明示する」だけでも意味があります。

2. 危険なWEBサイトへの警告を有効にする

多くのブラウザには、危険なWEBサイトを検知して警告を出す機能があります。

この機能を無効にしていると、

  • フィッシングサイト
  • マルウェア配布サイト

に、警告なしでアクセスできてしまいます。

「警告が邪魔だからオフにする」という設定は、セキュリティ面では非常に危険です。

3. ダウンロードの挙動を制御する

ブラウザの設定では、

  • 自動ダウンロードを許可しない
  • ダウンロード前に確認を求める

といった制御が可能です。

不正なファイルは、ユーザーが気付かないうちに保存されることで被害につながります。

WEB担当者や広報担当が扱う資料はPDFや画像が多いため、「ファイルだから安全」と思い込みやすい点には注意が必要です。

4. 拡張機能を入れすぎない

ブラウザ拡張機能は便利ですが、セキュリティリスクにもなります。

  • どこが作っているか分からない
  • 更新が止まっている
  • 必要以上の権限を要求する

こうした拡張機能は、閲覧情報の漏えいや不正動作の原因になります。

基本ルールはシンプルです。

「業務に必要なものだけを入れる」

これは社内ガイドラインとしても説明しやすいポイントです。

5. Cookieやサイト権限の見直し

ブラウザでは、

  • 位置情報
  • カメラ
  • マイク
  • 通知

などの権限を、WEBサイトごとに管理できます。

知らないうちに、不要な権限を許可しているケースは少なくありません。

定期的に「どのWEBサイトに何を許可しているか」を見直すことは、有効な対策です。

WEB担当者がこの知識を持つ意味

「それはユーザーの設定だから、管理外では?」と思うかもしれません。

しかし実際には、

  • 社内PC
  • 広報・更新担当者の端末
  • 業務委託先

など、自社が関与するブラウザ環境は意外と多いものです。

ブラウザのセキュリティ設定を理解していれば、

  • 社内マニュアルに反映できる
  • 情シスとの会話がスムーズになる
  • 事故発生時の説明がしやすくなる

といった実務的なメリットがあります。

難しい設定は不要

誤解されがちですが、高度なカスタマイズは必須ではありません。

  • 最新バージョンを使う
  • 警告を無視しない
  • 拡張機能を絞る

この3点だけでも、多くのWEB関連トラブルは防げます。

まとめ|ブラウザの設定は”最後の防波堤”

ブラウザのセキュリティ設定は、WEB攻撃に対する最後の防波堤です。

WEBサイト側がどれだけ対策していても、ブラウザ設定が甘ければ被害は起こります。

WEB担当者として、「ブラウザの設定で何ができるのか」を理解しておくことは、自社WEBサイトとユーザー双方を守ることにつながります。

難しく考える必要はありません。
まずは「ブラウザは設定次第で守れる」この事実を知ることが、最初の一歩です。